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ウイルス性胃腸炎は
うつるの?
ウイルス性胃腸炎の原因として、ロタウイルス、アデノウイルス、アストロウイルス、ノロウイルス、サポウイルスなどがあります。
これらのウイルスはすべて、口から入って十二指腸や小腸の粘膜上皮に感染することによって発病をもたらします。
人から人への感染
感染者の嘔吐物や排泄物に触れた手や、手で触れたものが口に入ることで感染します。
また、嘔吐物の飛沫を介して感染することもあります。感染していても発病しない(不顕性感染と呼ばれる)場合もありますが、ウイルスを排出することがあり、周囲の人が知らないうちに感染していることもあります。
汚染された食品や
水からの感染
下記のような場合に感染します。
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食品取扱者がノロウイルスに感染し、その感染者を介して汚染された食品を摂取した場合
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汚染された二枚貝を生で、あるいは十分な加熱調理をせずに摂取した場合
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ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水を消毒が不十分なまま摂取した場合
ウイルス性胃腸炎
(感染性胃腸炎)の
主な原因
ノロウイルス
ノロウイルスの主な症状は下痢、嘔吐、吐き気、おなかの痛みです。まれに発熱を伴うこともあり、重症の場合は脱水症状を起こすこともあります。
潜伏期間は平均1~2日(短い場合は数時間から数日)です。
ほとんどの場合は軽症で、症状は1~3日です。年齢を問わず発症しますが、特に乳幼児や高齢者、病気などで抵抗力の弱まっている方が発症すると、重症化することもあります。
ロタウイルス
主な症状は下痢、嘔吐、発熱で、米のとぎ汁に似た白い水のような下痢便が特徴です。ノロウイルスに比べて発熱することが多く、重症化しやすいといわれているため、脱水症状に注意が必要です。潜伏期間は約2日です。
下痢と嘔吐は3~8日で治まり、通常は半日~1日で熱が下がります。
発症は乳幼児によく見られ、生後6カ月から2歳の間に多く発症します。成人の場合は無症状感染が多いと言われていますが、症状が出る場合もあります。
毎年1月から4月に最も流行するとされています。
サポウイルス
主な症状に下痢、嘔吐、吐き気、発熱があります。潜伏期間は平均1〜3日です。
乳幼児の発症が多いとされていましたが、近年は成人・高齢者の食中毒や集団感染も増えている傾向があります。流行は年間を通じて起こりますが、10月から4月が最も多いです。
ウイルス性胃腸炎の予防
ウイルス性胃腸炎に最も効果的な予防策は、手洗いです。トイレの後、食事の前後、調理の前後などに、手を洗うことが大切です。これは食中毒の予防にも共通します。
また、たとえ家族であっても、普段からタオルを共有しないことにも気をつけてください。下痢の症状がある場合は必ず、浴槽に入る前にシャワーを浴びて、体をよく洗ってから入浴しましょう。バスタオルを共有しないなどの工夫も必要です。
小児がブロックなどのおもちゃを使う場合は、最低でも1日1回はアルコールスプレーで消毒し、洗えるものは洗うことなどが大切です。
下痢や嘔吐は早めに
受診しましょう
食欲がないときや吐き気があるときは無理に食べる必要はありません。何を食べるかよりも水をどう飲むかが重要です。
スポーツドリンクは少量ずつ飲みましょう。ただし、冷蔵庫から出してすぐに飲むと、冷たさが刺激となってさらに下痢を引き起こす可能性があります。飲む前に30分ほど室温に置いておくのが良いでしょう。
牛乳やその他の乳製品は腸内で発酵し、下痢や膨満感を悪化させる可能性があります。ある程度回復するまでは摂取をお控えください。
柔らかめに茹でたうどん、おかゆ、雑炊などは良い食事といえます。パンを食べたい場合は、バター成分の少ないパンが良いでしょう。野菜は繊維成分を含まないスープなどに調理することをお勧めします。
発熱を伴う下痢、咽頭炎が2~3回以上ある場合、下痢を2~3回以上繰り返す場合は、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。
嘔吐・下痢(便)の
処理について
嘔吐物・便の処理方法
(塩素濃度が5%の家庭用塩素系漂白剤を利用した場合)
処理者以外(とくに小児、高齢者など)が感染しないよう、処理が終わるまでは隔離しましょう。難しいようでしたら、少なくとも3m以内には近づかないようにしてください。
まず処理者は、使い捨てのビニール手袋、マスク、ガウン、靴カバー、目を保護する眼鏡などを着用します。次に、消毒剤(次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒剤や、家庭用塩素系漂白剤など)と雑巾(古紙や古布でも可)、ペーパータオル、そしてゴミ袋として大き目のビニール袋を準備します。
準備ができたら、嘔吐物などで汚れた床を拭きます。ペーパータオルや布で嘔吐物を覆い、外側から内側に向かって、拭き取り面を折り込むように丁寧に拭いてください。汚れが残っている状態で消毒剤を使用すると、ウイルスに対する消毒効果が低下するため、十分に拭き取りましょう。
拭き終わったら、使用したペーパータオルや布などは、すぐにゴミ袋に入れて密封し、廃棄しましょう。可能であれば、ゴミ袋に50倍に薄めた家庭用塩素系漂白剤を入れてから、密閉し廃棄してください。
汚れた部分を拭き取った後、50倍に薄めた家庭用塩素系漂白剤で床などを拭きます。
この際に使用するペーパータオルや布巾などは、できるだけ無色のものを使用してください。10分経ったら、最後に水拭きします。その後、窓を開けるなどして十分に換気してください。
汚れた衣服の消毒を
する
(塩素濃度が5%の家庭用塩素系漂白剤を利用した場合)
まず、付着した汚物に含まれるウイルスが拡散しないように、ペーパータオルや布などで覆ってから汚物を取り除きます。汚物を取り除いたら、洗剤を入れた水の中に衣服を入れ、丁寧にもみ洗いしてください。その後、50倍に薄めた家庭用塩素系漂白剤に約10分間浸します(衣服の素材に注意してください)。
家庭用塩素系漂白剤に浸す代わりに、85℃で1分以上の熱湯洗濯でもウイルス消毒に効果的です。その際は他の衣類と分けて洗ってください。
最後に、もみ洗いした部分を家庭用塩素系漂白剤(250倍に薄めたもの)で消毒し、洗剤で洗います。
トイレのドアノブ、
水洗レバー、トイレの床などを拭く
(塩素濃度が5%の家庭用塩素系漂白剤を利用した場合)
トイレのドアノブ、水洗レバー、トイレの床などを拭くときは、家庭用塩素系漂白剤を250倍に薄めた液に浸したペーパータオルで拭きましょう。
拭き取る場所が金属の場合は、10分程度、時間をおいてください(塩素系漂白剤は金属を腐食させるため)。10分経ったら、水拭きします。その後、窓を開けるなど、換気を十分に行ってください。
すべての処理が終わったら、石鹸で手をよく洗い、うがいをしましょう。