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バリウム検査(胃透視検査)は、飲んだバリウムを胃の中に薄く広げて、胃の形や表面の凹凸を何回か身体の向きを変えてレントゲンで撮影し、画像から上部消化管に異常がないかを観察します。一方、上部内視鏡検査は先端に小型カメラがついた管を挿入し、直接観察するものです。以下に、2つの違いについてまとめました。バリウム検査か上部内視鏡検査を受けるか、どちらか迷われた際には参考になさって下さい。
バリウム検査
(胃透視検査)
まず始めにバリウムとは、X線を吸収する性質をもつ重晶石という鉱物を砕き粉末状にし、飲みやすくするための香りづけなどの工夫がされた検査薬です。検査では、このバリウムを飲んだ後に、胃を膨らませるための発砲剤を飲みます。その後、検査台で数回、体勢を変えながら撮影していきます。
以下に、バリウム検査の特徴について挙げてみました。
- 胃癌や食道癌、十二指腸癌、胃潰瘍、胃ポリープ、胃炎などを調べることが可能。
- バリウム検査は癌の診断精度が高い。しかし、早期の胃癌を見落とすことがある。
- バリウム検査だけでは、胃癌の診断はできない。異常がみつかった場合、二次検査として内視鏡検査を受ける必要がある。
- 検査中に、組織採取ができない。
- レントゲン検査になるため、少量の被爆がある。発癌リスクを高める程ではない。
- 検査の前日から食事制限があり、当日は絶食、水分制限もある。喫煙・お酒もNG
- バリウムや発泡剤を内服することが辛い人もいる。
- 胃内視鏡検査に比べて、安価(保険適用外で1万前後)自治体によっては無料
- 検査時間は10分前後
- 検査終了後に、下剤を飲む必要がある。バリウム便は2日ほど、時間を要する。
- バリウム検査を避けたほうがよい人
・検査前3日間、排便がない方
・妊娠の可能性がある方
・透析中の方
・1年以内に頭や整形外科の手術をした方
上部内視鏡検査(胃カメラ)

- 食道や胃粘膜を、目視で確認できるため、小さな病変も発見できる。
- 検査中に、組織を採取し詳しい検査が可能。
- 早期の胃がんも発見できる。
- 食道がんの発見率が高い。
- 被爆がない。
- 鎮静剤を使用し、眠った状態で検査ができる。(自治体の健診では麻酔が使用不可のこともある。)
- 鎮静剤によるショック症状が生じることがある
- 内視鏡挿入による咽頭反射によって、嗚咽など気分不快が起こる
- 麻酔を使用した場合、交通手段に制限がかかる時がある。
バリウム検査か
上部内視鏡検査
どちらがおすすめか?
内視鏡検査をお勧めします。
その理由としては、主に3つあります。
- 消化管内部(食道~胃)を直接、観察できるため食道癌や胃癌の発見率が高い。
バリウム検査では、全体像を白黒の画像で確認しますが、内視鏡検査では消化管を目視で確認するため、胃などの小さな凹凸や色の違いなども見ることが可能です。これは、小さな病変の発見に繋がります。 - 疑わしい部位があれば、検査中に組織を採取できる。
検査中に組織の一部を採取し、良性か悪性かを判断する組織検査に回すことができます。 - 鎮静剤を使用できるため、検査の苦痛を緩和できる。
上部内視鏡検査では、内視鏡を挿入する際に咽頭反射が起こり、嗚咽などが生じることから強い苦痛を感じる方もいらっしゃいます。しかし、麻酔を使用することで、この反射等を抑えることが可能になり、検査をより楽に受けることができます。
最後に
上部内視鏡検査は、直接胃にカメラを入れて組織を確認できることから、1度で多くの情報を得ることが可能です。そのため、検査から治療に至るまでの流れがスムーズになり、病気の早期発見・早期治療に繋がります。40代を超えると、癌の発症リスクが高まります。皆様も40歳を過ぎましたら、内視鏡検査をご検討されてみてはいかがでしょうか。