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自己免疫性肝炎について

消化器内科  / 肝臓

 

 

こんにちは!

 

当院では、人間ドックや健診で肝機能の血液結果が引っ掛かった方が来られます!

今日は自己免疫性肝炎について書いていこうと思います!

 

肝炎について

まず、自己免疫性肝炎のお話の前に肝炎についてお話をします!

 

健康な肝臓のキャラクター

 

肝炎ウイルスといわれるA型肝炎・B型肝炎・C型肝炎などと、

アルコールの飲みすぎによる、アルコール性肝炎・非アルコール脂肪性肝炎

また、薬物性肝障害といわれる薬物によって肝機能異常が起こっている可能性があります。

 

そのほかにも、採血前に筋トレをした方が肝臓の数値が上がりやすい傾向もあります。

そして、甲状腺ホルモンが肝臓にも影響を及ぼすため、甲状腺についても再度調べる必要があります。

 

そして、肝臓に脂質が異常に蓄積した状態の脂肪肝も確認できますので、

まずは腹部エコーと上記の疾患の確認の採血をさせていただきます!

 

注射を受ける男性のイラスト

 

 

自己免疫性肝炎とは?

自己免疫性肝炎は、中年以降の女性に多く発症する慢性肝炎です。

しかし、若い女性や小児に発症することも珍しくありません。

近年では、男性の患者さんも増加傾向です。

 

この疾患の原因は、はっきりと解明されていませんが、

自らの肝細胞を自己免疫のリンパ球が破壊してしまう自己免疫性疾患です。

放置すると、肝硬変や肝細胞がんの発症に繋がることがあります。

多くは、採血にて肝臓の指標であるALTやASTの数値が上昇していることで疑われます。

加えて、自己抗体である抗核抗体や抗平滑筋抗体が出現します。

 

肝炎についてお話しましたが、上記の肝障害、および他の自己免疫疾患による肝障害などを除外して診断します。

 

治療開始前には、肝生検を行い、確定診断を行います。

 

 

自己免疫疾患とは?

免疫機構は、生体内で病原体などの非自己物質やがん細胞などの異常な細胞や異物を認識して攻撃・排除することにより、

生体を病気から保護する多数の仕組みが集積したものです。

 

この機構が何らかの原因により異常をきたし

自己の正常な細胞を標的に攻撃・排除してしまうことにより生体に異常が生じてしまう病態が、

自己免疫疾患と呼ばれるものです。自己免疫疾患には標的となる細胞(臓器)により、様々なものが知られています。

 

代表的なものとして、関節が自己免疫の標的となり炎症を生じる関節リウマチや、甲状腺が標的となる慢性甲状腺炎などが挙げられます

 

 

症状は?

特徴的な症状はありませんが、ゆっくりと進行します。

急性肝炎として現れた場合には初期症状に、倦怠感や黄疸、食欲不振がみられます。

肝硬変へ進行すると、下肢のむくみ、腹水による腹部のはりや吐血などが生じることもあります。

 

また、自己免疫性疾患は、その他の自己免疫性疾患を合併することが知られており、関節性リウマチやシェーグレン症候群、橋本病などが主な合併疾患です。

 

 

検査は?

①血液検査(ALT,AST、抗核抗体、抗平滑筋抗体)

②画像検査(腹部超音波検査、CT、MRI)他の病気が隠れていないか調べます。

③肝生検(確定診断として)

④内視鏡(自己免疫性肝炎と診断された際には、食道・胃静脈瘤が合併していないかなどを調べます。)があります。

 

治療に関しては基本的には、免疫抑制剤副腎皮質ステロイドの内服です。

肝障害が軽症の場合には、ウルソというお薬が使用されます。

随時、採血を行い数値をコントロールしていきます。

 

肝障害が重症であり、肝硬変や食道静脈瘤が現われた際には、肝移植も検討されます。

自己免疫性肝炎は、早期発見と治療によって、一般の方と寿命は変わりません。

 

 

ステロイドの副作用

副作用は、食欲亢進や肥満、脂質異常、消化性潰瘍、満月様顔貌、糖尿病、骨粗しょう症などがあります。

また、ステロイド剤を長期投与した場合は、自己判断での休薬はできません。

肥満にならないよう、日々の食事にも注意していく必要があります。

 

ほとんどの患者さんで投与により肝機能検査値は速やかに正常化します。

しかし、肝機能検査値が正常化しても治療は長く続けることが大切です。

 

 

 

まとめ

適切な治療を行えば、肝臓の炎症は良く改善し、進行もみられなくなります。

自己免疫性肝炎は自覚症状がないため気付きにくい病気です。

健診などで肝臓の数値が引っかかった場合には必ず精密検査を受けるようにしましょう。

きちんと治療すれば怖い病気ではありません!!!

 

 

担当は看護師 Nでした。

 

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