肝血管腫とは?
- こんにちは!
今回は肝血管腫についてきになったのでまとめました!
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肝血管腫とは?
肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になったことでできる良性の腫瘍です。
肝臓は元々血管が多い臓器のため、血管腫ができやすいとされています。
肝血管腫は、「海綿状血管腫」と「血管内皮種」の2種に大きく分けられますが、
ほとんどの症例は前者と診断され、そして臨床上問題を生じるのもほとんど前者となっています。
成人の発生頻度は5%程度とされ、一般的には男性に比べて女性にやや多いと言われています。
肝血管腫のほとんどは無症状であり、見つかっても特に問題はありませんが
サイズの大きなものだと症状が出てくることがあります。
多くの場合、成長は非常にゆっくりで、大きくなりにくいという特徴があります。
そのため、健康診断や人間ドックで偶然発見されることがほとんどです。
ほとんどの肝血管腫は経過観察で良いのですが、徐々に大きくなったり、
肝臓がんとの鑑別が難しかったりするケースもありますので、
健康診断などでご指摘を受けた場合には一度ご受診ください。
肝腫瘍との違いは?
肝血管腫に似ている病気に「肝がん(肝腫瘍)」があります。
肝血管腫の大きさは通常4cm以下で、短期間で大きさは変化することはありません。
一方で、肝がんは成長が早く、わずかな期間で急激に大きくなります。肝がんは悪性です。
肝腫瘍から肝がんへの移行はありません。
肝臓の悪性腫瘍は、原発性(肝臓から発生したもの)と転移性(他の部位から肝臓に転移してきたもの)に分類されます。
ほとんどの肝臓がんは転移性です。
原因は?
原因は明らかになっていませんが、先天的な要素が大きいと考えられています。
乳児期に肝血管腫が生じる場合もありますが、通常は自然に消失していきます。
女性ホルモンとの関連が疑われていた時代もありますが、結局はよく分かっていません。
ただし、妊娠や女性ホルモン(エストロゲン)の投与によりサイズが大きくなる傾向にあることは事実です。
症状は?
多くの場合は無症状で、特徴的な症状はありません。
腫瘍が大きくなってくると徐々に周囲の臓器を圧迫し、
結果として不快感や腹痛、右上腹部の膨満感、嘔気・嘔吐などが引き起こされます。
他の関連症状としては、頻度は少ないものの、発熱や黄疸(皮膚や白眼の黄染)、
呼吸困難、心不全なども確認されています。
診断
- 問診
自覚症状や身体診察などを行います。 - 血液検査
炎症具合や肝臓機能など、血中成分を調べます。
超音波検査
お腹にゼリーを塗ってから超音波プローブを当てます。
被ばくの心配がない検査で、血管腫の有無、多発していないかなどを確認します。
超音波検査では、白い円形の病変が見えます。典型的なものではこれだけで診断可能です。
3cm以上など大きなものではエコーだけに頼るのはやや不安が残るので
CT検査やMRI検査でより詳細に確認することがあります。
CT・MRI
CT装置は人体の輪切り画像を撮影してコンピュータで再構成することで、
任意の断面像・血管像が作成できるので、詳細な診断情報を取得できます。
近年の技術進歩により、ごく小さい病変も描出可能となっています。
造影剤を使ったCT検査では、肝血管腫の部分に造影剤が少しの間滞留して見えます。
MRI検査は、強力な磁石と電波を使って、体の断面画像を作る検査です。
CT検査と同様に造影剤を使うことで、より詳しい情報を得ることができます。
MRI検査では、肝血管腫は「T2強調画像」と呼ばれる特殊な撮影方法で、非常に明るく描出されます。
これは、血管腫内に水分が多く含まれているためです。
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治療
小さな病変かつ無症状であれば、基本的に経過観察のみで治療は不要です。
大きくても増大傾向がなく、かつ無症状であれば経過観察可能と判断される可能性が高いと思われます。
非常に大きく、かつ無視できないほどの症状が出てしまった場合にはカテーテル治療で小さくしたり、外科手術による切除を考えることになります。
まとめ
肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になったことでできる良性の腫瘍。
肝臓は元々血管が多い臓器のため、血管腫ができやすいとされています。
稀に腫瘍が大きくなる可能性もあるため、
診断後は定期的な画像検査で経過をチェックしていくことが大切です。
担当は看護師 Nでした。
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