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大腸憩室とは
大腸憩室は、大腸の壁に落とし穴の様なくぼみができてしまう状態を言います。大腸の中の圧力が高まった時に、壁の弱い部分が外側にポコッと飛び出してしまう事で発生します。日本では、右側結腸に好発するといわれていますが、欧米では、左側結腸が増加しています。現在ではそれほど珍しいものではなく、10人に1人は持っていると言われています。年齢とともに増加し、多発してみられることも多いです。
大腸憩室の症状
大腸憩室があることそのもので症状は余り認めませんが、大腸憩室ができやすい方は腸の動きが活発なことが多いため、お腹の張り感や腹痛、お腹のしこり感などの症状がでることがあります。
便秘より軟便っぽい方が多いのも特徴です。
お腹の腹圧が高い状態が持続していると徐々に形質が増えていくことがあります。
憩室ができるとその部分の大腸の柔軟性が低下するため、沢山の憩室ができるとその部分の腸が硬くなるという事になります。
腸が硬くなると、そこを通った便が細くなったり、今までより排便がしにくくなったりもします。
症状をあげるとするならば、
- 便通異常
- 腹部膨満感
- 下血
- 下腹部痛
大腸憩室・胆石・食道裂孔ヘルニアは合併しやすく、さらに肥満であると合併しやすくなります。
大腸憩室の検査
大腸内視鏡検査・腹部CTを行います
憩室を見つけるためにと言うよりも、別の理由で内視鏡を行った際に偶然見つかることが多いです。また大腸憩室を定期的に観察することも必要ありませんので、一度診断がついたら憩室をみるという理由で大腸内視鏡を行う事はありません。
大腸憩室の治療
大腸憩室を根本的に治療することはできません。手術で腸を切除することもありますが、憩室炎が重症化したなどのかなり珍しいケースになります。大腸憩室そのものはあまり強い症状を起こさないため、出血や憩室炎などが起こらない限り積極的な治療を行う事は少ないです。
憩室そのものの治療というより、憩室ができやすい方は他の腹部膨満感、腹部違和感などの腹部症状が出現することがあるので、必要があればその症状の治療を行います。
大腸憩室の合併症
大腸憩室炎
大腸憩室炎とは
そとに飛び出した憩室のなかで細菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。
- 中年~高齢者
- 普段から便秘気味の人
- 大腸憩室のある人
- 大腸憩室炎の既往のある人
がなりやすいです。
大腸憩室炎の症状
- 下腹部痛
- 圧痛
- 軽度の発熱(細菌感染症のため)
大腸憩室炎の検査
血液検査、腹部CT、
大腸内視鏡検査は圧痛部位に憩室を認められれば有用だが、急性期には穿孔などの危険性があるため、炎症がおちついてから行います。
大腸憩室炎の治療
- 保存的治療(絶食・補液・抗菌薬・抗生物質など)
- 外科的治療(手術)
再発防止のため
治癒後、高繊維食と便通のコントロールを指導します。
再発を繰り返す場合は、手術も検討しましょう。
大腸憩室出血
大腸憩室出血とは
大腸の壁は血管が通っている部分が最も弱いため、血管ごと外に飛び出してしまいます。飛び出すことで壁は薄くなり、そこに血管が通っているため出血もしやすいという事になります。高齢者、大腸憩室出血の既往がある人に多いです。
一般的には緊急性が高いケースはそれほど多くないため、慌てずに受診をしましょう。
大腸憩室出血の症状
- 無痛性の出血
- 血便
大腸憩室出血の検査
大腸内視鏡検査
憩室からの出血が認められます。
大腸憩室出血の治療
1. 出血が少量で自然止血している場合(安静にして自然に止血)
→保存的治療(安静、絶食、補液など)
2. 内視鏡検査で出血点が分かった場合
→大腸内視鏡検査で止血
3. 出血が多量で、内視鏡的止血が困難な場合
→血管造影を行い、責任血管に対して経カテーテル的動脈塞栓術(TEA)を行います。ご自宅の近くの病院に紹介状を書きます。
4. TEA不適または無効な場合
→外科的治療(大腸切除術)