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好酸球性食道炎

好酸球性食道炎とは

好酸球性食道炎とは?好酸球というアレルギー反応に関与する白血球が、食道にたくさん集まって慢性的な炎症を生じさせる病気です。好酸球の浸潤が食道に限局してみられるのを好酸球食道炎といいます。
アレルギーによっておこるものなので、別名「アレルギー性食道炎」とも言われています。
炎症が持続することによって食道の動きが悪くなり、食事が通りにくくなったり、つかえる感じや胸やけ、胸の痛みなどの症状を生じます。さらに進行すると食道が狭くなって、食事が詰まってしまうこともあります。
欧米に多いですが、5000人に1人くらいの頻度で起こる比較的珍しい病気で、日本でも増加中です。どの年代でも発症しますが、30-40 歳代に最も多く発症し、男性が女性の2~3 倍多いとされています。約半数の方に喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の併用があります。

好酸球性食道炎の原因

食物によるアレルギー反応が主な原因と考えられていますが、調べてみてもアレルギーの元がはっきりとしないこともあります。環境要因として、出生時に暴露される因子(抗生剤の使用,帝王切開,早産など)や、ピロリ菌の有病率低下なども関与しているのではないかとされています。

好酸球性食道炎の症状

好酸球性食道炎は無症状の方が多いですが、慢性的な炎症が起こることで食道の機能(蠕動して食事を胃に送る)が障害され、下記のような症状が出ます。

  • 飲み込みにくい・・・
  • つかえる感じがある・・・
  • 胸やけや胸らへんがいたい・・・

など

食事のあとにつまった感じがしたり、頸をしめられている感じがすると訴えてきたりする場合が多くなっています。
また、長期間炎症が続くことで、食道が狭窄を来し食事の通過障害(食べれない・食べても吐いてしまう)ような状態になることもあります。

好酸球性食道炎の検査

検査は?胃カメラを行います。
また、CTや超音波検査、血液検査も行うことがあります。
胃カメラ検査で食道から組織を採取し、好酸球浸潤の確定診断を行います。
好酸球性食道炎の特徴は、食道が渦のような縦線と細かい白い点のようなものなどが出現することが多いです。

胃カメラ

好酸球性食道炎の治療

好酸球性食道炎は無症状の場合には特に治療を行わず様子を見る場合もありますが、症状がある方や内視鏡上の炎症がひどい方は治療を行います。
また、未治療のまま10年以上の炎症が続くと食道狭窄が起こることが少なからずみられるため、定期的に内視鏡を受けて評価をすることも重要です。

食事療法

抗原除去食(小麦、乳製品、卵、大豆、ナッツ類、魚介類の6種類の食事を除去する)日本では、あまり行われていません。アレルギー専門科での精査が望ましいと考えます。

内視鏡検査

長期間の経過で食道が狭くなっている場合には、内視鏡を使って狭いところを拡張するバルーン拡張という治療があります。

薬物療法

プロトンポンプ阻害薬、ステロイド吸入薬を投与します。
胃酸の分泌を抑えることで、食道のバリア機能が改善してアレルギー反応を抑える効果があると考えられており、服用によって約6~7割の患者さんは症状や食道の炎症が改善します。しかし、症状が落ち着いた場合でも、やめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまいます。基本的にはお薬を続けながら、食事療法も併用し、再燃予防も合わせて行っていきます。

好酸球性胃腸炎について

好酸球性胃腸炎について好酸球性胃腸炎は胃、小腸、大腸などに好酸球による炎症がおきる病態をいいます。腹痛、嘔吐、下痢などを引き起こし、特に食後に強い心窩部痛がでやすく、痛みは制酸薬でも改善に乏しい場合があります。腹部CTで病変部に顕著な浮腫性変化を認めることがありますが、内視鏡では異常所見を認めないことがあり、ときに診断が難しいケースがあります。

診断基準があり、病理所見における強い好酸球数の増加と、末梢血中の好酸球増加などから診断されます。無症候性好酸球性胃腸炎と同様に、採血や生検病理所見から好酸球性胃腸炎が疑われるような状況であっても、症状が生じていない場合もあります。

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