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B型肝炎とは
B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。
主な感染経路は、
- ウイルスに感染した母親から生まれた子供への感染(母子感染)
- その他の輸血や性行為による感染(水平感染)
B型肝炎ウイルスは感染した時期、感染したB型肝炎ウイルスの種類(ジェノタイプ)、健康状態によって、肝炎が治癒するタイプ(一過性感染)と感染が持続するもの(持続感染)に分かれます。
感染様式には大きく分けて一過性感染と持続感染の2つがあります。
- 一過性感染は、急性肝炎を起こすものと、自覚症状がないまま自然治癒するものに分けられます。
- 持続感染とは、ウイルスが体外に排出されず、6ヶ月以上肝臓に炎症を起こすものです。
- 垂直感染:B型肝炎陽性の母からの母子感染(出産時・妊娠時)
- 水平感染:
・性行為などの濃密な体液接触
・麻薬など静注用貼の不適切な乱用による血液感染
・刺青・ピアスの穴開け
・不衛生な器具による医療行為
・不適切な器具使用での出血を伴うような民間療法
数%で慢性肝炎に移行し、肝細胞癌になります。また、1%以下で劇症肝炎になることがあります。
慢性肝炎は適切な治療を行わないと、肝硬変や肝臓がんにまで進行することがあります。
- 乳幼児に感染すると、免疫応答が不十分なため、ウイルスが排除されにくく、持続感染(無症候性キャリア)となります。
- 6か月以上のB型肝炎ウイルス(HBV)持続感染者をHBVキャリアといいます。
B型肝炎の症状
B型急性肝炎
潜伏期間は1~6ヶ月で、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。
劇症化をして肝不全になる例も存在しますが一般的には、数週間で回復していきます。
B型慢性肝炎
出産時に持続感染が成立した場合、肝炎は起こらずに経過しますが、感染したHBVは排除されずに体内に共存しており、無症候性キャリアと言われる状態になります。思春期以降に免疫が発達してくると、20%程度の人に肝炎が発症し慢性的に持続します。適切な治療が行われない場合、肝硬変、肝がんに進行することがあります。慢性肝炎自体には特徴的な症状はないため、肝硬変や肝臓がんに進行して初めて症状を自覚されることがあります。
B型肝炎の検査
血液検査と超音波検査を行います。
血液検査
- HBs抗原:HBV感染の有無を判定する。陽性の場合HBVに感染していると判断されます。
- HBe抗原:ウイルスが肝臓で活発に増殖している際に出現します。感染力が強いことを示します。
- HBs抗体:過去にB型肝炎ウイルスに感染し、その後にウイルスが排除された場合や、B型肝炎ワクチンを接種し免疫を得られた場合に陽性になります。
- HBc抗体:急性肝炎の診断やキャリアの判断などに使用されます。
- HBe抗体:HBe抗原は陰性である場合は感染力が弱いことを示します。
B型肝炎の治療
急性肝炎はA型肝炎と同じように、
- 安静
- 薬物療法
ウイルスを完全に排除することは困難とされています。そのため薬物療法によって、ウイルスの活動を抑制します。治療によって肝障害を未然に防ぎ、肝硬変や肝がんなどのより深刻な状態への進行を防ぐことが重要です。しかし劇症肝炎と呼ばれる状態になると、生命の危機が出現する為、抗ウイルス療法、血漿交換などの積極的な治療が必要なケースがあります。また肝移植を行わないと救命できない場合もあります。
B型肝炎の予防
B型肝炎ワクチンを実施することで抗体(HBs抗体)を獲得することができます。
乳幼児期に3回の接種を行うことで、HBs抗体を獲得することができます。獲得した免疫は15年間程度持続することが確認されています。2016年10月よりすべての出生児が接種するようになりました。20歳代までに接種を行った場合も高い効果が期待できますが、ワクチンの効果は年齢と共に低下します。
例えば40歳を過ぎてからのワクチン接種により免疫を獲得できるのは約80%です。