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黄疸・皮膚のかゆみ

黄疸や皮膚のかゆみは
ありませんか?

以下のような症状は、肝臓の疾患の可能性があります。

  • 肌や白目が黄色い

  • 湿疹がないのに皮膚の痒みがある

  • 以前より疲れやすい、全身の倦怠感がある

  • 食欲が落ちた、食後に胃がもたれやすい

  • 手のひらに赤みがある

  • 尿の黄色が濃くなった

  • 右脇腹に鈍痛がある

  • お酒に弱くなった、二日酔いになりやすくなった

  • 鼻血がすぐ出る、あざが目立ちやすい

黄疸とは

黄疸

黄疸とは、血中のビリルビン濃度が上昇し、皮膚や眼球結膜が黄色くなることです。通常、ビリルビン濃度が2~3mg/dlを超えると顕性(目に見える症状)となります。
黄疸を理解するには、まずビリルビンを理解する必要があります。

  1. ビリルビンとは、網様体内で寿命を迎えた赤血球(ヘモグロビン)が分解される際に産生される物質です。これが間接ビリルビンとして血中に入ります。

  2. 間接ビリルビンが肝臓でグルクロン酸抱合を受けると直接ビリルビンとなり、胆管を通って胆汁中に排泄されます。

  3. 直接ビリルビンは腸内細菌によってウロビリノーゲンに変換されます。

  4. ウロビリノーゲンの一部はステルコビリンとなって糞便中に排泄されますが、ウロビリノーゲンの一部は腸肝循環によって再吸収されます。

これら❶~❹のビリルビン代謝経路のうち、いずれかが障害されると黄疸が生じます。

黄疸の検査・診断

黄疸の検査・診断 超音波検査医師との問診で症状の出方や心配事を相談しながら、検査方法を検討していきます。
まず超音波内視鏡検査を提案し、必要に応じて提携機関でのCTやMRIを追加します。

黄疸の治療

閉塞性黄疸では、胆道ドレナージで黄疸を速やかに軽減する必要があります。感染がある場合には、胆道ドレナージに加えて抗菌薬の投与が必要です。基本的には、すべての患者様をできるだけ早く提携施設にご紹介します。閉塞性黄疸以外の黄疸に関しては、症状やビリルビン値、肝障害が軽微であれば、外来でウイルスマーカー検査や自己抗体検査を行うこともあります。お心当たりのあるかたは、ぜひ当院へご相談ください。

皮膚のかゆみと
肝疾患の関係

皮膚のかゆみかゆみの大部分は皮膚疾患によって現れます。かゆみ物質は皮膚で産生され、皮膚の神経を刺激します。しかし、肝疾患における皮膚のかゆみは皮膚に由来しない場合が多いです。
かゆみは肝臓疾患、特に胆汁うっ滞(胆汁の流れが悪くなる)で起こりやすくなります。

  1. 見た目には異常ないが、かゆみがある

  2. いくら掻いても治らないかゆみ

  3. 体中がかゆい

  4. かゆみで眠れない

  5.  一般的なかゆみ止めでは効果がない

皮膚のかゆみの治療

抗ヒスタミン薬

肝疾患のかゆみも、まず抗ヒスタミン薬で治療します。

  • エピナスチン(1回20㎎を1日1回)
  • フェキソフェナジン(1回60㎎を1日2回)
  • ザイザル®
  • ルパフィン®

ただし、抗ヒスタミン薬は肝臓疾患のかゆみには効果がないことがあります。
副作用には口の渇き、眠気、だるさ、ふらつき、めまい、下痢などがあります。異常を感じたら中止して医師にご相談ください。

レスタミンクリーム

レスタミンクリームは塗り薬としても処方されます。抗ヒスタミン作用が皮膚のかゆみを和らげます。
主な副作用には、皮膚のかゆみ、赤み、腫れ、湿潤などが報告されています。異常を感じたら中止して医師にご相談ください。
使用方法:1日数回、症状に応じて適量をかゆみのある部位に塗ります。

レミッチ®

抗ヒスタミン薬が効かない場合にはレミッチを処方します。ただし高価なので、効果が少ない場合は使用を中止します。
主な副作用には、不眠、便秘などが報告されています。異常を感じたら中止して医師にご相談ください。
用法・用量:1日1回2.5μgを就寝前に服用してください。

漢方薬

漢方薬が皮膚のかゆみに効果的である場合もあります。

ツムラ86 当帰飲子
(トウキインシ)

当帰飲子は、乾燥したかゆみと、老人性皮膚掻痒症に効果的です。

ツムラ22 消風散
(ショウフウサン)

消風散は、膿んで湿ったかゆみに効果的なので、肝臓病のかゆみ対してはあまり効果がないかもしれません。

強力ネオミノファーゲンシー(強ミノ)

グリチルリチン製剤を1回20ml、静脈内に注射します。使用頻度が高くなると、低カリウム血症に注意する必要があります。

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